ストレスで太れない体には、漢方薬がおすすめ

2017年3月21日

痩せすぎの人がなかなか太れない原因の一つに、ストレスがあるというのをご存じでしょうか?

ストレスと消化器官は密接な関係にあり、ストレスを受けると自律神経のバランスが乱れ、胃腸の不調を起こし便秘や下痢を引き起こしやすくなります。

ストレスで精神的に参っているとそれだけで食欲もなくなりますが、例え食べられたとしても、消化吸収力の低下により、必要な栄養素を吸収することができず太れません。

太るためのストレス解消には生活習慣の改善が必要ですが、漢方薬を服用するという方法も効果的です。そんなストレスについて、詳しくみてみましょう。

ストレスを感じる仕組み

ストレスとは、どうやって感じるのでしょうか。脳の中にある大脳辺縁系の扁桃体と言う神経細胞の集まっているところに、外部からの心地よい刺激に反応すると細胞と不快な刺激に反応する細胞があります。

ここで不快な刺激に反応する細胞によりストレス状態が作られます。外部からの刺激には天候や騒音などの環境的な要因によるものから、痛みや病気などの身体的要因によるもの、悩みや不安などの心理的な要因によるもの、人間関係や仕事上の問題など社会的要因によるものなど、さまざま。

ストレスは悪いものだけに限らず、適度な緊張感によりプラスに働く場合もありますが、悪いストレスを受けると自律神経の交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、胃酸分泌の過多などにより胃腸の不具合を引き起こしてしまいます。

ストレスの感じ方は人それぞれなので、どの程度のストレスが体調に影響を及ぼすかも人により異なります。

一般的に、楽観的な考え方のできる大らかな性格の人はストレスに強いタイプで、真面目で几帳面、心配症な傾向の人はストレスに弱いタイプといえます。

太るためのストレス解消法

ストレスが原因で太れない。そんな人は、まず胃腸を元気に整えることを考えましょう。

ストレスを抱えている人のほとんどは、胃腸が弱っており、いくら食べても太れない体質になっていると考えられます。

ですから太るためにはまず体調からアプローチするのがおすすめ。胃腸の調子を整えるには普段の食生活の改善が必須です。

コンビニ弁当やスナック類、ファストフードなど、油っこくて化学調味料や添加物が大量に入っているものはなるべく避け、ご飯にお肉、魚、生野菜や果物など、栄養バランスの良い食事を心がけること。

納豆やヨーグルト、チーズなどの発酵食品も積極的に取り入れましょう。

また質の良い睡眠と、心地よく疲労を感じるほどの適度な運動、リラックスできる入浴、そして気分転換になる趣味を持つなど、日常的にストレスをためない環境を作る努力も大事です。

ストレスに作用する漢方で、太れる体に

ストレスを解消する方法として手っ取り早く効果的なのが、実は漢方薬。

漢方薬って本当に効くのと疑わしく感じている方もいるかもしれませんので、漢方薬について、あらためて確認しておきましょう。

漢方薬とは、自然界にある植物や鉱物などの生薬を複数組み合わせて作られた、自然のめぐみを利用してできた薬です。

生薬とは、植物の葉や花、つぼみ、茎、枝、根、そして菌類や鉱物や昆虫など、長い経験の中で、人の体に効果が得られることが確かめられてきた物質を利用しやすい形に加工したもの。

それらの生薬を混合することで、生薬の複合効果によりさまざまな症状の治療に有効な漢方薬となります。

漢方薬は、昔の人の経験により使用されてきた薬草などの民間薬とはちがい、漢方医学に基づいて組み合わせの分量や用法などの条件も細かく定められています。

治療効果の期待できる医薬品として、正式に認められている、信頼できる薬なのです。その漢方薬のいちばんの特徴は、なんといってもバリエーションの多さでしょう。

生薬の組み合わせにより、その人の体質や症状に合わせたさまざまな漢方薬が使われます。太れない原因となっているストレスからくる体の不調は、漢方薬の得意とする分野でもあります。

漢方薬がストレスそのものに作用し、全身のバランスを整えながら、太れる体質への改善を図れます。ストレス解消に効果的な漢方薬はたくさんありますが、特におすすめのものをご紹介しましょう。

●加味帰脾湯(かみきひとう)
消化器の働きを助けながら、不足している「血(けつ…体の組織や器官に栄養をを与えるもの)」を増やし、不眠を改善。気持ちを穏やかにし、精神を安定させます。心身ともに疲れやすく、食欲がない時にもおすすめの、元気になる漢方薬です。

●半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
ストレスや疲労で「気(き…目に見えない、人の体を支える原動力となるもの)」のめぐりが滞ると、喉に何か詰まった感じがするようになります。半夏厚朴湯は気の巡りをよくし、喉のつかえ感や違和感などの不快な症状を改善します。食事が喉を通らないという方におすすめの漢方薬です。

●桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
ストレスで体のバランスが崩れると些細なことが気になって落ち着かなくなったり、ちょっとしたことで興奮しやすくなったりします。そんな神経質な状態になりやすい方におすすめの漢方薬です。太れないことを気にして、気分が暗くなりがちな時に服用すると良いでしょう。

●抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
イライラしたり、怒りっぽくなってしまったりする方におすすめの漢方薬。ストレスによる身体へのさまざまな影響を無くし、自律神経を安定させます。胃腸の働きを整える働きもあり、ストレスによる消化機能の低下、食欲が低下ぎみの方にもおすすめです。

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漢方薬を利用する際に気をつけたいこと

これらのおすすめの漢方薬は全て市販されていますので、通販やドラッグストア等で手軽に購入することが可能。

また、医療機関を受診して、漢方薬の処方箋を出してもらうこともできます。処方箋での購入の方が価格は安く入手できるので、長く使いたい場合は保険のきく医療機関を受診する方がおトク。

時間と手間はかかりますが、医療機関で症状を伝え、漢方薬を処方してもらえるよう伝えましょう。その際は、漢方薬に詳しい医師のいる医療機関をあらかじめ調べておくことも大切です。

しかし、漢方の専門医になると、保険が適用されず高額な診療費がかかってしまうこともありますので注意が必要です。

漢方薬を服用する際は、胃が空腹状態にあるほうが漢方の吸収が良くなるため、食前または食間に飲むようにします。

また、沸騰したお湯を常温に冷ました白湯で飲むのがおすすめですが、水で飲んでも問題はありません。

漢方薬には飲み合わせもありますが、異なる種類のものを併用しても大丈夫な場合が多いので、効果が見られないようなら2種類の漢方薬を併用してみると効果が期待できるかもしれません。

漢方薬でストレスに負けない太れる体質に

漢方薬は、ストレス症状を一時的に良くするだけでなく、そのストレスが招く食欲不振や消化不良といった体の不調を改善し、ストレスに負けない体づくりをしてくれます。

太れないことがストレスになっている方も、漢方薬と上手に付き合うことでストレス緩和が期待でき、太れる体質に改善できます。

さらに、漢方薬での治療により人が本来持っている食への欲求と正常な胃腸機能を回復させ、太りたい人は太りやすい体をつくることができるのです。

自分に合った漢方薬を見つけて、太れる体づくりを目指してくださいね。

参考文献