睡眠不足だと、太れないの?

2017年10月9日

太れないことは、睡眠とも大きく関係しています。これはどういうことなのでしょうか?

それはズバリ、睡眠不足だと空腹感を感じづらくなることにあります。

人は、ご飯などの食べ物から糖質を摂取すると胃腸で消化され、血液中の糖分である血糖値が上昇します。

この時、血液は脳にも栄養を運びますので脳も食べ物の摂取による血糖値の上昇を感知します。血糖値がある程度上昇すると、脳はもう食べ物を摂取する必要がないと判断し、「お腹いっぱい」の指令を出します。

それがすなわち、満腹感なのです。この満腹感のスイッチとなる血糖値の上昇は、食べ物の摂取以外でも起こります。疲労やストレス、慢性的な睡眠不足でも血糖値は上昇してしまいます。

睡眠不足がインシュリンの働きを低下させる

インシュリンとは、すい臓から分泌される体内ホルモンの一つで、血糖値を下げて正常な量にキープする重要な役割を持っています。

食事によって血糖値が上がると、すい臓のβ細胞がすぐにインシュリンを分泌し、血液中の糖分は脂肪細胞に移動し、血糖値が下がります。

その分、脂肪にはエネルギーが蓄えられ体重が増えます。睡眠不足が続くと、このインシュリンの働きが悪くなるのです。

インシュリンの活動が低下すると糖質の移動が上手くいかず、たくさん食べているのに脂肪が増えない、という状態になってしまうわけです。

インシュリンの働きが悪く高血糖の状態がつづくと、糖尿病にかかるリスクが高まります。さらに高血糖だと血液が血管を傷つけやすくなり、高血圧の原因にもなりやすくなってしまいます。

睡眠不足は太れないだけでなく、大きな病気の引き金となってしまうこともありますので要注意です。

健康的に太るための、睡眠不足改善法

睡眠不足を改善するには、まず早寝の習慣を身につけることからはじめましょう。帰宅が遅かったり、やることがたくさんあったりと多忙な毎日だとどうしても寝る時間が遅くなってしまいがち。

そこでまず、「いつもより30分早く布団に入る」ことを念頭に置き、それを意識した行動をとるようにしてみましょう。

意識することで行動の一つ一つがスピードアップされ、意外とスムーズに早寝の習慣が身につきます。休日も夜更かしや朝寝坊をせず、平日と差のない就寝・起床時間を守ることがポイントです。

また、睡眠の質を高めるために、寝る前の1時間は明かりを暗めにし、好きな音楽を聴いたり、軽いストレッチをしたりしてリラックスモードにすることも効果的。

カフェインや香辛料などの刺激物を夕食時になるべく摂らないようにすることも、快眠の秘訣です。